身長が低かったから身についた「考える力」
- 2018.03.27
- softball

アスリートライターのはるかです。
今日は、身長が154㎝で腕が短いというピッチャーとして非常に不利になる条件からどうやってここまでで成長が出来たのかを振り返ってみました。
自慢でもなんでもありませんが、
事実だけを述べると中体連ベスト4
県大会で防御率0
大学一回生の秋の関西秋リーグの大会で防御率0 最優秀投手賞を獲得
オーストラリアのブリスベンの大会でA2の部で優勝しています。
New!Redlands代表にも選ばれました!
正直、ピッチャーとしての体格は客観的にみると間違いなく日本では向いていない部類に入ります。
また、特別ボールも速くなければ変化球もチェンジアップとなんちゃってライズ。
強いて言うなら、左ピッチャーでナチュラルに曲がる事とコントロールが取り柄です。
正直不利な状態で何故上記の結果が残せたのか、そして今までどんなことを意識していたのかを考え直してみました。
ストレートが速くなかったから考える力が身についた
私が最後にスピードを図ったのは高校の時。
マックスが確か90キロだったと思います。
このマックスも実は3回くらいしか出ておらず、私の試合中のスピードは球が走っている時で85キロ後半がアベレージでした。
決して高校生の中でも速い方ではありません。
また、三振が取れるようなボールも持っていませんでした。
その為、自ずと他のピッチャーより考える力が身についたと思います。
正直、身長が高くてスピードボールを持っているピッチャーはフォアボールを頻繁に出すようなピッチャーでなければ、ある程度抑えられます。
むしろ一巡目は全くバットに当たらずに終わるピッチャーも少なくありません。
しかし、私の場合毎試合初回からバットに大体当たります。
スピードもそうですし、変化も横の変化なのである程度対応しやすいです。
その中で、どうやってバッターを倒すかを小学校の時からずっと考えて来ました。
私が出会ったピッチャーの中で、キャッチャーの配球に対して首を振るかと聞いた時、8、9割以上の人が「振らない。」と答えました。
しかし、私は一緒に戦えてないと思います。
もちろん、キャッチャーの言う事に全て信頼を置き、自身もそこが最善だと思って投げている場合は構いません。
ですが、考えずにただ投げるという行為をしているとそのボールって気持ちが120%込められないと思います。
少なからず私はそうでしたし、本当に信頼しているキャッチャーに対しても、先輩に対しても必ず意見はいうようにしていました。
自分が投げるボールなので、自分が一番わかっています。
ピッチャーは投げるだけが仕事ではありません。
目の前にいるバッターを倒さなければなりません。
それを理解し、戦う事が出来れば身長を生かすことも不可能ではなく、逆に芯を外すように投げる技術や、打たせたいところに打たせられる技術が身についてくるようになります。
体が小さい分、背の高い人より手先が器用です。
色んなボールを試して見て、練習試合や試合で遊んでみましょう。
遊びから生まれる使えるボールは意外と多いですよ。笑
身長が低くてもオリンピックを目指せる方法はあるのか
これに関して言えば、「他の人よりも努力する。」ということより「他の人が持っていない価値を見出す」事を考えました。
他の人たちが日本国内での試合をしている中、私はじっくり日本人選手の何倍も海外の選手と対戦し、
「海外の人との戦い方を習得」
します。
誰も持っていない誰も進んだ事のない道で挑んでみようと思います。
私みたいな小さな選手が他の人たちと同じように過ごし、同じように練習をしても勝てません。
何故なら、身長で足きりされるからです。
現に、日本ソフトボール協会が出しているGEMの基準にこんな記事があります。
http://www.softball.or.jp/info_news/topics/nw19/nw19_news_2016/nw19_16_0820.html
身長160㎝以上。スピード90キロ以上。チェンジアップ、ライズ、ドロップを投げられる。ティー台を用いたバッティングで50m以上飛ばせるかどうか。
何が言いたいのかというと、
「この選考基準を通っていない私でも上記の結果くらいは残せたよ」
と言うことです。
自分のことが凄いとかそういうのが言いたいのではありません。
しかし、この四つの基準の二つを満たすことが条件になってしまうと、目指したいものも目指せなくなってしまいます。
この基準のせいで目指せないのは悔しいので、今回海外選手との対戦経験を日本人の誰よりも積み、例外の道で戦おうと思います。
試合中の投球以外に工夫できることは沢山ある
私はバッターを倒す為に、ピッチング以外にも沢山工夫してきました。
それは、
「試合中の間の取り方」
です。
例を挙げるとキリが無いのですが、靴紐を結び直す、ボールを換える、首を故意的に振るなどです。
後は、試合前のルーティンです。
この髪留めを使っているときはなんだか調子がいい、とか、ロジンを触るとストライクが入りやすくなるとか。
なんでも自分で作れますし、そうすることで自制心を落ち着かせたりすることができます。
そうすることで、今日の自分は調子がいいと思い込みをすることができます。
この思い込みというのは、「根拠のない自信」です。
科学的に証明されていることもあるかもしれません。
しかし、今日ではその科学的な証明も覆される事もあります。
そんな中で、自分にとって何が大切でどうすれば勝てるのか、この舞台で最善を尽くすためにはどんなことをしなくてはならないのかを考えて来ました。
練習方法について
オーストラリアに来てから、ハッキリとわかったことは
「自分が好き好んでやらない練習以外全く意味がなかった」
ということです。
しんどい練習が嫌いとか、そういう訳ではありません。
自分がこれが必要だと思ってやったことは、本当に身につきます。
そして、大事なのは怪我をするような練習の仕方をしないことです。
いわゆるオーバーワークを避けることや、集中力が欠けた中で練習をしないことです。
意味のない全体練習、走り込み、これらをやめて自分の時間にフォーカスする。
どれだけ筋肉をつけてもそれを試合での使い方がわかっていなければ意味がありません。
自分で考えてやった筋トレは、
「こんなボールを投げたいからここを強くしたい」
とイメージしながらトレーニングが出来ます。
そうすると、嘘かと思うくらいそのボールがうまく投げれるようになります笑
私の場合、ボディービルダー元世界チャンピョンの方、立命館大学のパーソナルトレーナさんのお陰で何も知らずにやっている人よりは間違いなくフォームはいいです。
そこに自信があるので、トレーニングでも怪我をしませんし、イメージトレーニングと並行するとかなりの実感がありました。
練習は誰かに言われてするのでは無く、自分で考えて自分と相談してやるものですよ。
日本にいる時から薄々と感じていたのに行動に移せなかった自分が本当に悲しい。笑
でも、今こうやって誰かにこの記事を見てもらって一人でも多くの人に練習の仕方が伝われば、日本のスポーツ選手自体ももっと強くなるのと信じています。
現在オーストラリアでソフトボール留学中です。
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はるか
東京オリンピックへ向けて。〜プロへの挑戦〜
私は2020年3月10日からソフトボール世界No. 1の国であるアメリカのプロソフトボールチームに入団テストを受けに来ています。
身長は154㎝で体格は決して恵まれていません。
中学時代全国大会でベスト4、高校のインターハイで優勝、大学の関西リーグでは、防御率0で最優秀投手賞を受賞。
しかしながら、日の丸を背負って投げた試合は、日韓交流戦のたった一度だけ。
防御率はいいものの、決して三振をバンバン取れるピッチャーではなく、同年代の中でも目立ったピッチャーではありませんでした。
立命館大学に入学し、1回生の秋からほとんどの試合を任せてもらうようになり、エースとしてマウンドに立ち続けてきました。
しかし、過度な投球が原因で肩を負傷。
上野さんたちが戦っている日本ソフトボール界の頂点である「実業団」に挑戦するイメージはどんどん消えてきました。
ある日、夢の中でアメリカのプロリーグにスカウトされました。
夢を見たことがきっかけで海外でソフトボールを続けることを決意。
2017年11月からオーストラリアのブリスベンに1年半ソフトボール留学し、QLD州(ソフトボールが最も盛ん地域)U23の代表に選ばれました。
オーストラリアで、自分のピッチングが通用したことが
自信になり、ソフトボール世界No.1のアメリカで、プロを目指すことを決めました。
人間、諦めなければ必ず夢は叶うと信じてここまで取り組んできました。
アメリカのプロになる事は、決して簡単なことではありません。
しかし、どうしてもこの夢を叶えて日本人初のプロソフトボール選手になりたいのです。
そして、日本から私以降にアメリカでプロになる選手を増やし、日本の競技力向上を図ります。
私のファンクラブにて、今後の展望をお伝えしておりますので、是非ご覧ください。
このファンクラブは、みなさんと一緒に夢を追いかけるためのコミュニティです。
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