パリオリンピックでソフトボール・野球が落選した3つの理由
- 2019.02.22
- softball

海外のローカルチームでソフトボールをしながら、東京オリンピック代表選手を目指すアスリートライターの本庄遥(@number_1h)です。→アスリートライターとは?
2月21日(木)、ソフトボール・野球、空手がオリンピック競技から落選したことが発表されました。
実際にアスリートとして、ソフトボールを続けている私としては非常に残念なお知らせではありますが、決まったことなので心身受け止めなければなりません。
私の中の1つの計画で「パリでのソフトボールが実施されるように動きたい」との思いもあったので、事前調査をしていたこともあり、この際パリでオリンピック競技として開催されない理由を解説していきます。
ソフトボール・野球が盛んではない
まず1番初めに思いつくのが、ヨーロッパではソフトボールと野球が盛んではないことです。
何人か現地で活動していた方とお話ししたことがありますが、復興しつつはあるもののやはりサッカーなどの盛んなスポーツと比べるとまだまだ盛んとは言えない現状があるそうです。
実業団もある地域もありますが、日本をはじめとした強豪国には勝てないレベルなのは一目瞭然です。
前回の世界選手権もアメリカ、日本、が1位2位を独占し、続く3位のカナダとの試合でさえ完封勝利を収めるほど差が開いています。
5位以降になってくると、トップのチームと対戦すると10点差以上開いてしまい、コールドゲームになることも頻繁にあります。
それくらい強いチームとそうでないチームの差が開いています。
認知度が低い
上記に書いた「盛んではない」と少し近い内容ですが、認知度がかなり低いことです。
オーストラリアにいる今、ヨーロッパでのソフトボールや野球の認知度を知りたくて聞いてみましたが、一発でソフトボールを知っていると答えた友だちは誰1人としていませんでした。
野球はそもそもメジャーリーグが有名なので、テレビで見る機会があるそうです。
ソフトボール、と聞くとまず「どんな競技?」と聞かれて、動画を見せると「知っているけど生で見たことはない」「それってクリケットみたいなやつ?」と回答が返ってきて、幼い頃にやったことがあるなどの答えは一切返ってきませんでした。
また、ソフトボールを見る機会はオリンピックでやっていた時に見ただけでそれ以外は全く見たことがないと言われてしまい、盛んでないことは確かです。
フランスの勝率が低い
今年発表された、女子ソフトボールの世界ランキングでフランスは26位。
トップ5とのポイント数見てもその差は一目瞭然です。
( WBSC Rankings 参照)
もしあなたが仮に、フランスのオリンピック協会の人だったとしたらこの無理ゲーになっている競技をわざわざ自分の国でやりたいと思いますか?答えはNoですよね。
東京オリンピックでソフトボール・野球が復活することが決まった時点から他の国でも盛んに行われていたとすれば、今回のパリオリンピックでも可能性がありましたが、正直可能性はゼロに等しかったです。
では今後どうすれば、ソフトボールと野球がオリンピック競技に復活するのでしょうか?
今後ソフトボール・野球がオリンピック競技に復活させるためには
まず、あなたが日本人だとします。
その場合、「日本が勝てそうな競技をオリンピックで見たい!」と思いますよね?
それは当然の回答だと思います。
次にあなたが日本オリンピック委員会の委員長だったとします。
日本がメダルを獲得した方が有利なので、日本が強い競技をプッシュしますよね?
これも当たり前です。
では、国際オリンピック委員会の委員長だったらどうしますか?
国際オリンピック委員会の会長なら、「どうやったらオリンピック全体が盛り上がるのか」を考えますよね。
ではどうやったらオリンピックが盛り上がるのでしょうか?
認知度が高いスポーツも条件の1つですが、認知度が高い=盛り上がるとは限りません。
なぜなら出来レースになってしまうからです。
となると、「たくさんの国の人たちが勝てるチャンスがある競技」を入れたいと思いませんか?
平等にしなければ、たくさんの人からクレームも来ることが容易に想像できますよね。
となると、アジア圏とアメリカしか盛んではないどころか、日本とアメリカの一騎打ちがわかってしまっているソフトボール競技をオリンピック競技にしてくださいっていうのは無理があると思うんです。
表彰台に上がるチームが決まっている競技なんて、見ている人からすると面白くないんですよね。
では、どうするべきなのか?
それは、強い国の人たちが競技が発展していない国の人たちに技術を教えて底上げすることです。
もしかしたら、初めは難しいかもしれません。誰も負けたくないので。
でも、本当にあの感動を生む舞台でソフトボールを公式オリンピック競技として認定してもらうには、周りを強くするしかないんです。
日本もアメリカも「強い」ことはよくわかりました。
ここからは、自分たちが強くなることよりも、オリンピック正式種目に復活させるために底上げをすることの方が何倍も大切なんです。
そこをたくさんのソフトボールプレイヤーの方、野球選手の方に知って頂けたら幸いです。
最後に
ここまで読んでいただきありがとうございました!
偉そうなことを言っているのは重々承知です。
ですが、公式オリンピック競技として認められて欲しいけどどうしたらいいのかわからない人たち、強くなることが普及活動になると思っている人が多いように感じています。
私の目標は、世界中のソフトボーラーが世界中の好きな場所でソフトボールができることです。
もちろん選手としても活躍することは、選手としての目標ですし目標達成まで諦めようと思いません。
でもそれ以上に、この競技を通じて世界中の人がハッピーになれる世の中を作っていきたいんです。
私の周りには、ソフトボールを続けたかったのに環境が悪かったせいでやめてしまった人、人間関係が原因でソフトボールをやめてしまった人がかなり多いです。
そんな人たちを減らすためにも、ソフトボールができる環境を少しでも増やし楽しく続けたい人も、本気で打ち込みたい人もみんなが楽しめる世の中になったらと思います。
はるか
東京オリンピックへ向けて。〜プロへの挑戦〜
私は2020年3月10日からソフトボール世界No. 1の国であるアメリカのプロソフトボールチームに入団テストを受けに来ています。
身長は154㎝で体格は決して恵まれていません。
中学時代全国大会でベスト4、高校のインターハイで優勝、大学の関西リーグでは、防御率0で最優秀投手賞を受賞。
しかしながら、日の丸を背負って投げた試合は、日韓交流戦のたった一度だけ。
防御率はいいものの、決して三振をバンバン取れるピッチャーではなく、同年代の中でも目立ったピッチャーではありませんでした。
立命館大学に入学し、1回生の秋からほとんどの試合を任せてもらうようになり、エースとしてマウンドに立ち続けてきました。
しかし、過度な投球が原因で肩を負傷。
上野さんたちが戦っている日本ソフトボール界の頂点である「実業団」に挑戦するイメージはどんどん消えてきました。
ある日、夢の中でアメリカのプロリーグにスカウトされました。
夢を見たことがきっかけで海外でソフトボールを続けることを決意。
2017年11月からオーストラリアのブリスベンに1年半ソフトボール留学し、QLD州(ソフトボールが最も盛ん地域)U23の代表に選ばれました。
オーストラリアで、自分のピッチングが通用したことが
自信になり、ソフトボール世界No.1のアメリカで、プロを目指すことを決めました。
人間、諦めなければ必ず夢は叶うと信じてここまで取り組んできました。
アメリカのプロになる事は、決して簡単なことではありません。
しかし、どうしてもこの夢を叶えて日本人初のプロソフトボール選手になりたいのです。
そして、日本から私以降にアメリカでプロになる選手を増やし、日本の競技力向上を図ります。
私のファンクラブにて、今後の展望をお伝えしておりますので、是非ご覧ください。
このファンクラブは、みなさんと一緒に夢を追いかけるためのコミュニティです。
ぜひご入会いただき、一緒に夢を追いかけてみませんか? ファンクラブはこちらから
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